何かと話題のジョーカーを見てみました。まぁ完全に話題になったから見たというだけです。バットマンシリーズすら見てないし、嘘字幕動画で取調室みたいなところでバットマンがジョーカーをボコボコにするところくらいしか知らない。
京王線刺傷事件で思わぬ余波…映画「ジョーカー」の地上波放送が困難に - ライブドアニュース
この記事がもとでいろいろと言われてたんだけど……東スポだという所を最初に見るべきでしたね。完全に見落としていたよ。
重体の方の意識が戻るまでは待ちました。流石に亡くなってる人がいるときに記事にしてはいけない。70代ということで寝たきりで体力落ちたらリハビリも大変だし、他の方もPTSDとかいろいろ大変だとは思うんですが、実際にどんなものか知らずに判断するのもどうかと思ったんですよ。どんな映画か見た上で判断しようと思ったので見ました。
一言で結論を言うと『これじゃない』でしょうね。理由は感想書きつつ見ていきましょう。
仕事中にボコボコにされるアーサー
アーサーがジョーカーの本名です。この時点ではジョーカーではない。仕事はピエロの格好をした客寄せ。閉店セールの客寄せ中に看板取られて追いかけたらボコボコにされた。多勢に無勢という状態ですごくマイナスなスタート。完全に被害者側なのよね。
後で調べてわかったんですが、これオリジナルなのね。バットマンシリーズのジョーカーとは別のジョーカーなんだね。ジョーカーの様な人がどうやって出来上がるのか、みたいなところあるし正式な過去ではないということだった。もうその時点で違うよね。
仕事仲間から護身用にと銃を貰う
流石アメリカ、日本だとこうはならない。というよりアーサー自身が病気もちなのでたぶん銃とか買えないんじゃないかな。流石にその辺の線引きはあると思うんだよ。薬も飲んでるし完全に精神的におかしな人である。突然笑いだす病気があるんだよね。笑い声が実に特徴的。そしてその笑いのせいでかなり苦しんでいた。精神病で苦しむところはしっかりしっかり描いてある。周りの目のこととかもしっかりしてていい感じである。健康なやつにはわからないとかそういう感じの部分があった。まぁそうなんだろうね。アレルギーとかも理解しない人一定数いるもんね。突然笑いだすのはまだマシな方とすら思える状況なんだけど、TPOということだろうか。お葬式とか完全アウトよね。あとわらいすぎて会話にならないのもキツイ。確かにピエロ以外のお仕事無理そうだわ。警備員とか笑い出した時点でアウトでしょ。
ピエロをクビになる出来事が
小児科で笑わせるときに護身用の銃が落ちてしまう。みんなビビッて完全にクビ。冒頭の逃走＆看板紛失もあって完全にクビだった。何を言ってもどうにもならない感じ。まぁ雇い主からしたらそうよね、職務放棄に貸出品紛失、小児科で銃披露と問題しか起こしてないもん。これ以上雇うことはマイナスイメージになるからクビにして当然だと思う。アーサー自身の問題は銃の管理くらいだけど不運としか言いようがない気がする。こういう負の連鎖は割とあるのよ。
というかこの歌英語が元なのん？なんか普通に聞いたことあったけど全く気にしてなかった。『幸せなら手をたたこう - Wikipedia』によるとアメリカ民謡が元らしい。元の曲とか気にしないからわかんなかった。
そして運命の電車へ
絡まれとるやん。過剰防衛やし服装違うし……服の話は後半にしよう。
ナンパ失敗した酔っ払いに絡まれてボコボコにされて、銃で反撃して2人即死後に逃げた1人を追いかけて殺してました。全然違うじゃないか。これでダメなら電車で殺人のある作品全部ダメになるんじゃないかと思うよ。1人目撃つ時点ではまだ正当防衛……というかやっちまった感あるんだよね。2人目まではギリギリ勢いって感じがあるんだけど3人目は完全にやっちまってる。逃げていくのを追いかけてホームで撃ってるからなぁ。言い逃れできない状態かな。個人的には1人目正当防衛、2人目過剰防衛、3人目殺人という印象。
そもそもここで大事なのは“ピエロ”なのよ。この後もピエロの仮面の犯人ということになるんだけどこの映画が元なら確実にピエロの顔にしてたはず。それがない時点でこの映画ではないんだよ。バットマンシリーズであってジョーカーではない。
否定されるアーサー
母親が信用してる人だった。昔この人の家で働いてたことがあって今も助けを求めててた。母曰くこの人がアーサーのお父さんらしい。でも会いに行ってもあしらわれるだけなんだよね。頭がおかしいだのなんだの言われて追い返される。
子供を笑顔にするとき口に指入ってないかな。あれを大人しくされる子供っているのかな……と思ったけど何かあるのかな。この年で子供一人ってのも気になったしあそこにも何かあるのかもしれない。子供のラスト的にも何か続けられそうな感じだったからね。
まぁこの人の言うことが正しくて、実際は母親の頭がおかしかっただけ。アーサーを守らなかったことで捕まってたし、精神病院入ってたしそもそもアーサーは容姿だった。精神的なことなら親子って言われてもいい感じで繋がってるけどね。妄想的な部分は遺伝でも違和感はない。まぁそれくらい誰にでも起こりえるってことだろうけどさ。
そんな母を殺したアーサー
やっちまいました、4人目ですね。警察の捜査が来て倒れて入院してた。一人で母親の面倒見てたから大変だったんだろうな。その母親がすべての元凶であったとは……。突然笑うのも母親の恋人からの虐待が原因だしもう救いというのがない。この人のために頑張る必要はないって感じだったし、ここはカットなってやったと言われたら仕方ないと思う。そしてこの太陽を見るカットよ。光を浴びて解放された感もあるけど結局は闇の中にいるということかな。母親はいなくなったけど自分の問題は何一つ解決してないもんね。
しかも市の財政が悪くて支援が打ち切られてカウンセリングもなくなったし薬ももらえなくなった。カットしていい部分と悪い部分があるということかな。まぁ仕方ない部分もあるといえばあるけどアーサーにとってはマイナスが重なりすぎた。いろんなマイナスがどんどん重なって耐えられない状態になってた。マイナスが重なるのはよくあるし、やっぱりメンタル強い方が人生もしっかり楽しめそうな気がしたよ。
5人目、元同僚
銃を渡した元同僚を殺してた。地下鉄事件の犯人がアーサーだとわかって、自分の保身のことしか考えてないようだったので殺されてた。奥のちっさい人はアーサーにも優しくしてたから殺人を見たのに解放されてた。普通に通報されたら終わりだと思うから逃がさないと思うんだけど……。不幸が重なったアーサーにとっては天使みたいな存在だったのかな。
上半身裸がよく出るんだけどこれは体重だろうね。お金ないから母親優先で食事してたらやせるよ。そういう部分でやってたのかな……と思ってたら本当にそうだった。役作りでしっかり痩せてた役者さんマジですごいよ。80kg以上あった体重を58kgまで落とすとか考えられん。私もコロナで80前半から74になったけどもう増えてるもん。身長173らしいからそんなに変わらないし、私が今『今年度中に60kgまで落とせ』って言われたら拒否するもん。10万貰えてもやらないね、100万で考える、1000万なら即決でやるレベルの話だよ。よく役作りでそこまで追い込めたな。そういうのも込みの出演料なのだろうか。まぁお金の話はやめておこう。
ジョーカー爆誕
尊敬するコメディアンにバカにされたことで少し有名になった。何度もコメディアンの研究しに行ってたクラブのステージに立ったところを笑いものにされてた。まぁ一応芸人だからセーフ……と言えるのかな。一般人をバカにする笑いはダメだけど芸人同士ならまだセーフってところあるよね、滑ったのを笑いにしたりさ。その一環なんだけどアーサーからしたら完全にマイナスなこと。尊敬する人が自分をバカにしたわけだからなぁ。しかもその時に“ジョーカー”と呼ばれたことを覚えてて本名ではなくそっちを選んでる。やはり仮面でないと行動できないということかな。
そしてTV中継へ
ここで6人目を銃殺。予定では自殺するはずだったんだけどバカにされたり否定されたりで思いが変わって射殺してた。こんな中継あったら大事件だろ。生放送中の射殺とかやっぱり大統領が出てくるけど他にあるんだろうか。調べたくないからおいとこう。
このおばちゃんの表情が絶妙で好き。この作品で一番好きなキャラまである。なんかね、いい表情するのよ。一瞬しか出てこないけどしっかり印象に残ってしまった。まぁジョーカーの開幕キスでどういう表情するか見始めたのが原因なんですけどね。
もちろん駆け付けた警官に逮捕されてた。そりゃそうでしょ、現行犯よ。地下鉄の3人殺害についても自供してたからなぁ。テレビとはいえ殺人を自供した人にあの対応するのすごいな。たぶん銃とかもってないと思って煽ったんだろうなぁ。こういう思い込みあおりで痛い目見るの結構あると思う。
そして伝説へ
民衆に囲まれてた。地下鉄の殺人が貧困層から富裕層への攻撃になってて、ピエロがその象徴だった。最終的には精神病棟へ行くんだけどここでは英雄扱いね。自分が起こした殺人事件で世界がどんどん変わっていくのを感じてたんだろうね。妄想にも取りつかれてたしどうにもならない状況だったんだろう。完全に終わった人間が開き直った感じだった。病院内での赤い靴跡はすごくよかった。印象的だしすごく残るよ。
冒頭で書いた『これじゃない』理由は3つかな
- 無差別ではなく自分に危害を加える人を殺してる
- 服の色が違う
- そもそも特徴的なのは服ではなくピエロの顔
放送禁止にするのはこれじゃないと思うのよ。バットマンシリーズ見てなくてはっきり言えないのが痛い。
被害者に配慮すること自体は否定しない、3.11の津波とかは私も賛成です。ただその線引きを間違えたら何もできなくなる気がしたんだよね。そして線引きが非常に難しいんだよね、PTSDとかもあるしさ。車や包丁の被害者増えても規制にならないように便利さも関わってくるから一筋縄ではいかない。だからこそちゃんと確認して考えるようにしていきたいかな。
本記事の画像は映画「JOKER」より引用しています。
