話題になってたゴジラ対ヘドラの感想です。50年前の作品名ですね。何度も見ていますがいろいろと異質な作品ですよ。
すでにヘドラがいる状態から作品がスタート
産まれる過程とかは途中でどんどん説明していく感じ。作中で成長していくけどもうすでにタンカーを沈められるほどの大きさになっている。1体じゃなく次々と合体して巨大化していくのはよくあるやつなのでほっとこう。
問題はOPよ。これがまた異質。
この曲なんですがすごくインパクトが強い。完全にこの作品を印象付ける曲なので作戦としては正解だと思う。環境問題にガッツリコメントしていくスタイルだからこれはこれであり。
ヘドラの人間への影響
炭になる……というよりあれよね、メデューサの元ネタの蛇の影響が出たのかと思う感じ。まぁこれはマシな方で後半になれば普通に人が骨になります。環境汚染してるとめぐりめぐって人間に帰ってくるというメッセージ性が強いんですよね。まぁ当時の環境汚染はガチでやばいやつだし現代のプラスチックとかそういうレベルじゃないんですよね。毒の垂れ流しだからもうヤバイという次元でしかない。そんな時代だからこそガッツリ環境問題に手を出せたというのがあるんでしょうね。
現代はほら、森VS海みたいなところあるじゃん。海洋汚染のプラスチックか、森林破壊の紙か、どっちを使うのか、みたいなさ。露骨にゼロサムゲーム始めたと思ってほっといてるけど、50年前のは毒の垂れ流しだから悪で行けたんだろうね。今これ作るとどっちが正義かって問題になって来そうなのよ。
特徴的な演出は多い
テレビ並べていろいろと流す。左下の沼で泣く赤ちゃんはガチで入れられてるだろうな。50年前だからコンプラとかないし、歩行器に固定して沼に埋めたら泣いたのを撮ってそう。まぁこの辺は当時のことなので現代の感覚で判断してはいけない。
いろんな抗議が来るのは完全に環境破壊を悪とできるからだよね。怒りの声をあげるということになってるし、死神が近づいてる感じもある。ただ内容が環境破壊ヤバイが9割くらいなので物語として面白いかどうかは別。メッセージ性も強いし変化球的なパワーもあるから悪いわけじゃないけど人を選ぶ作品だよ。
飛ぶゴジラ
これも賛否あったね。もう少し下に向かって吐かないと重力に負けて落ちると思うんだけど大丈夫なのだろうか。そもそもそれ以前の問題なのよね。この飛行方法は面白いと思うし作品的にはアリなんだけど、物理的に考えた時にアリかというと……。最大出力だと体が浮くなら水平より上に撃たないといけなくなっていろいろと制約が増えるのよ。まぁ特撮に物理を持ち込むのはNGよね。楽しめればそれでいい。
そもそも人間側の作戦にゴジラがうまく乗ってるからさ。上手く電気発生して壊れない原理も謎だし壊れないならあれでガードすればいいということにもなりかねない。人側の手際の悪さが目立つのはいいよね。全部むき出しの急造品だから戦闘に巻き込まれてすぐ壊れる。直すときに無理難題を押し付けてできないと怒ったり……。パワハラが昔からしっかりあるのがよくわかります。
そしてラスト
もう一匹いるラストなんだよ。環境汚染が原因で生まれたやつだから汚染し続ける限りいくらでも産まれてくるとかいうB級エンド。これはこれで好きだったりする。ゴジラとしてはナシなんだけど、この作品の言いたいことがはっきり表れてるし、ちゃんと伝えるためにはすごくいい演出だと思う。ここまで貫いて環境汚染を否定してるのは大事。
今書いてて思ったえけど現代って環境破壊よね、50年前は環境汚染だと思うのよ。そこが違うのかな、よくわかんないけど。
環境汚染をメインテーマに扱った異色作。はっきり言って人を選ぶ作品です。物語としての面白さはあんまり……という感じ。少年の成長とかそういう所ももっといい作品が他にあるんだよね。ここまで環境汚染をテーマにしてくるか、という意味では見ていいと思います。
本記事の画像は「ゴジラ対ヘドラ」より引用しています。